ホームページアクセスの分析方法
サイトの分析と聞くと「なんだか難しそうだなあ」と感じられるかもしれません。
確かにサイト解析は非常に奥深く、極めるのは相当な労力が必要ですが、私は「自分の会社やお店のサイトを自分で分析」できる知識があれば十分だと思います。
ここでは自分の会社やお店のサイト分析に必要なことを判りやすくご説明したいと思います。
サイト解析のプロになる必要はない
私がまだ全くWEB解析の知識が無かった時の話です。
WEBマーケティングの会社の人に「サイトの分析をお願いしたら、どんなことをしてくれるんですか?」と聞いたことがあります。
その時の相手から、当時の私には全く理解できない答えが返ってきたのを覚えています。
理解出来なかったので、何を言われたのか言葉自体は全く覚えていません。
多分「アナリティクスで検索キーワード、ユニークユーザー・セッション数・PV、問い合わせまでのコンバージョンや直帰率・離脱率などをチェックしてレポートを作成します」というような感じで回答をされたのではないかと思います。
全ての言葉の意味を質問するのも面倒だったので「へえ、そうですか」と判ったふりをして空返事をしておきました。
ホームページで自分の会社やお店の集客をしたいと思っている人は、大手企業のサイトを管理運営をするプロではありませんので、そんなに難しい分析技術は必要ありません。
まずは、「自分で書いた記事をどれくらいの人が見に来て、どれくらい興味を持っているのか」が判ればいいと思っています。
それでは、自分のサイトを分析するために最低限知っておけばいいと思う項目を判りやすくご説明したいと思います。
Google Analytics(グーグル アナリティクス)とは
Google Analytics(グーグル アナリティクス)とはGoogle社が無料で提供しているサイト分析のシステムです。
これは絶対に設置して下さい。
「グーグル アナリティクス 設置方法」などで検索すると、たくさんのサイトで設置方法が紹介されていますので、設置されていない先生は一度見てみて下さい。
このGoogle Analytics(グーグル アナリティクス)を使って、以下の項目を分析していきます。
データは指定した期間内の数値になります。
1日、1週間、1ヶ月、1年以外に任意の日数が自由に設定で、その期間のデータを分析することができます。
「民泊の教科書」というサイトの公開から5カ月目の1ヶ月間(2016年5月31日~6月29日の30日間)のデータを例にご説明します。
「数」に関する項目
サイトの分析は大きく分けて「数」「率」「質」「時間」の項目があります。
まず最初に「数」の項目に関して見てみましょう。
セッション数
セッション数とはサイトに訪問した人の「延べ数」です。
サイト訪問者の延べ数なので、通常でしたら同じ人が何度もサイトに来た場合はカウントされるのですが、Google Analytics(グーグル アナリティクス)では以下のようなルールに従って算出されます。
- あなたのサイトに訪問した時点で「1」
- あなたのサイトに訪問してから別のサイトに移動した後、30分以内にあなたのサイトに戻ってきた場合「1」(30分以内に戻った場合、「2」にはなりません)
- あなたのサイトに訪問してから別のサイトに移動した後、30分以上経ってからあなたのサイトに戻ってきた場合「2」(30分以上経つと延べ人数としてカウントされます)
つまり、同じ人が30分以内に何度あなたのサイトに訪問しても「1」としかカウントされません。
セッション数は以下に紹介する項目と組み合わせて分析する場合が多いので、概念をきちんと覚えておいて下さい。
ユニークユーザー数(UU)
ユニークユーザー数とはサイトに訪問した人の「実数」です。
同じ人が100回あなたのサイトを見に来ても、ユニークユーザー数は「1」です。
あなたのサイトに実際にどれくらいの人が来ているのかを知る為の重要な指標です。
このユニークユーザー数を上げていくのが当面の目標になります。
下のデータを見ると「民泊の教科書」に訪問した人は延べ数で50,711人ですが、実数では36,909人だということが判ります。
つまり13,802人がこの1ヶ月間に2回以上サイトを見に来て頂いているということになります。
ページビュー数(PV)
あなたのサイトで見られたページの数です。
例えばAさんが5ページ見たとすると、ページビュー数は「5」になります。
Aさんが5ページ、Bさんが1ページ、Cさんが9ページ見たとすると、ページビュー数は「15」になります。
2016年6月29日時点では「民泊の教科書」は1ヶ月で10万97ページを見て頂いています。
一般的なサイトであれば、まずは1ヶ月1万PVを最初の目標にすると良いと思います。
このページビュー数は絶対数を増やす努力も必要なのですが、先程のセッション数と組み合わせて分析する事も重要になります。
Aさん、Bさん、Cさんの3人があなたのサイトに来たとすると、セッション数は「3」です。
ページビュー「15」をセッション数「3」で割ると「5」になりますよね。
これは、一人当たり平均で何ページ見たのかを表わす数字になります。
この数字が大きければ大きいほど、あなたのサイトに興味を持って、たくさんのページを見ていると推定出来ます。
この「ページビュー数/セッション数」の数値を上げるようにすることも重要になります。
「率」に関する項目
それでは次に「率」の項目をみてみましょう。
直帰率
あなたのサイトの1ページだけを読んで、他のサイトへ行ってしまった人の率を言います。
例えば、「大阪 弁護士」と調べてあなたのサイトに辿りついた人がいるとします。
あなたのサイトを見て「自分が探している情報はないな・・・」と感じて、他のサイトへ移動してしまったケースを「直帰」と言います。
ちなみに、複数のページを見て他のサイトへ移動した場合は「離脱」と言います。
離脱率は100%になりますので項目としてはありませんが、どのページを最後に見たのかを調べるには「離脱ページ」をチェックします。
「直帰」の分析で気をつけなければいけない点は「必ずしもあなたのサイトに不満があって直帰したわけではない」という点です。
あなたのサイトにある情報に満足して直帰する人もいるのです。
どうゆうことかと言いますと、あなたのサイトにある情報を見て、自分の問題が解決してブラウザーを閉じた人(又は別のサイトに行った人)も「直帰」になります。
ですから、「直帰率」だけに一喜一憂せずに、これからご説明する「平均滞在時間」などの他の指標と組み合わせて、あなたのサイトの満足度の全体像をつかむようにしましょう。
新規セッション率
あなたのサイトに初めて訪れた人の率です。
例えば、1ヶ月間のセッション数(訪問した人の延べ数)が1000だとします。
その中の700人が初めてあなたのサイトを見た人だとすると、新規セッション率は70%となります。
ブログなど定期的に情報発信するサイトは特定の読者がいますので新規セッション数は60~70%というサイトも多いと思いますが、士業サイトのように「問題解決型サイト」の場合は80~90%以上でも問題はありません。
「質」に関する項目
「質」に関する項目というのは、私が勝手に呼んでいる項目です。
簡単に言えば「よく見られているページ」のことです。
Google Analytics(グーグル アナリティクス)では、どのページがどれくらい見られているかを調べる事が出来ます。
一番見られているページこそが、あなたのサイトの強みなのです。
一番見られているページの内容を追記修正しながら充実させて、さらなる強みとなるページにしていきましょう。
「時間」に関する項目
「時間」に関する項目でチェックするべき項目は「平均セッション時間」です。
あなたのサイトに来た人が、平均してどれくらいの時間、あなたのサイトを見ていたかというデータです。
「平均滞在時間」とも言います。
平均滞在時間が長いということは、多くの人があなたのサイトの内容をじっくり読んでいたということになります。
セッション数が多くなると、平均滞在時間を延ばすのが難しくなってくるのですが、1か月前と比べてどうなったかというような相対評価の指標としてチェックしましょう。
その他の項目
Google Analytics(グーグル アナリティクス)は非常に優秀なシステムで、今までご説明した以外にもたくさんの項目を分析する事が出来ます。
例えば、冒頭の例で出てきたWEBマーケティング業者の回答の中の「コンバージョン」という項目も調べることができます。
コンバージョンというのは目標達成率のことです。
例えば、お問合わせページを見て何も質問をせずに他のページに行ってしまう人はかなりの数います。
「問合わせページまで来た人の内、何人が問合わせをしてきた人の数(率)」がコンバージョンです。
ECサイトなどでは重要な指標ですが、一般的なサイトであれば、最初の内はここまでは見なくてもよいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
分析といっても、意外と簡単だなと感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
会社の社長が法人税法の隅々まで熟知する必要がないように、サイトをもつ企業やお店の方がサイト分析のプロと同じような知識をもつ必要はないのです。
サイトにくる人が「どれくらい増えて」「どれくらい興味を持ってくれているか」の推移をチェックしながら、サイトのコンテンツを改良するだけで十分だと思います。
それが慣れてくると、さらに細かい分析がしたくなってくる場合もありますので、それはその時に覚えればいいと思います。
まずは絶対に必要な項目のみを覚えておきましょう。